自遊通信 No.82(2022 夏)

発 行 自遊学校 文/河原木憲彦 絵/野口ちとせ



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自遊学校の校庭には赤く塗られた2〜3mの大きな鉛筆が数十本立っています。それを見て、子どもたちは駆け寄ってきます。大人は子どもの後を追ってきて、大鉛筆の前で不思議そうな顔をしています。
不思議そうな顔をしている大人に「この大きな鉛筆はなんですか?」と訊かれることもあります。もっともな疑問なので、こう答えます。
「この鉛筆は現代アートの作家・野口ちとせの作品で ”マララの鉛筆” というタイトルが付いています。マララは人名で、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんのことです。15歳の時、彼女は通学バスの中でイスラム原理主義者に撃たれ瀕死の重傷を負いましたが奇跡的に回復して、いまは途上国の女子教育を支援するマララ基金を運営しています。私たちは彼女の活動を支援するために ”マララの鉛筆” を立てています。」

自遊学校がある大月町は高知県の中でも一番奥まった過疎地ですが、そんなところにマララの鉛筆を100本立てる無謀な計画を数年前から進めています。しかし100本立てる道のりは険しい。
そこに、先だってマララの鉛筆を町内に立てないかという提案を大月町役場の方からいただきました。町内にアーティストが滞在できるレジデンススペースができるのに合わせて、町内の廃校(14校)とマララの鉛筆を組み合わせたイベントの第1弾をこの9月に計画中です。マララの鉛筆は希望の象徴です。たくさんの希望が広がりますように。

梅雨空にまっすぐ鉛筆上向いて




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