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No.76(2020 春号)

発 行 自遊学校  文/河原木憲彦  絵/野口ちとせ 


もうずいぶん前に読んだ本を、この頃になって思い出した。題名は「アンドロメダ病原体」(マイケル・クライトン作)。あらすじは、アメリカ軍の衛星がアメリカの田舎町に落ちる。その衛星によって宇宙空間から持ち込まれた未知のウィルスが住民に感染して殆どの町民は死んでしまう。彼らは全身の血液が凝固していた。生き残ったのは、飲んだくれの老人と泣き叫ぶ赤ん坊の2人だけ。
なぜ、この2人は生き残れたのか? 致死率の高いウィルスが拡散するのを防げるのか? 治療法は?
隔離された施設の中で、ウィルスの正体を解明しようと微生物学や細菌の研究者が格闘するが・・・というストーリー。

50年前の小説だが、謎解きとバイオサスペンス?が交差し、いま読んでもおもしろい。この小説の結末はあっけない。細菌学者たちはウィルスが狭いph域でしか生きられないことを発見するのだが、その発見と同時にウィルスは突然変異して無害になってしまう。あっけないというより、あっけにとられる結末。ずいぶん前に読んだときは?が頭上をいくつも飛び回ったものだが、いまは少しわかるような気がする。
ウィルスは環境に適応しようとして変異する。それが人間には有害になる場合もある。その逆もあるかもしれない。そして、ウィルスがいつどのように変異するか私たちにはわからない。新型コロナウィルスの出現も予想できなかった。自然は人智を越えたフロンティアなのだ。自遊学校のようなとびきりの辺地にいると、それは日々実感することなのだが。

  ふり返りまたふり返り散る桜






 


 
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