No.60 (2014 夏号)

発 行 自遊学校  文/河原木憲彦  絵/野口ちとせ 




  



















築100年以上は経つだろう。屋根は赤土を敷いた上に瓦を載せてある。長い時間が経過すると乾いた赤土が崩れ細か
い粒子になって下に落ちてくる。そうなると畳や床にピンクの砂が積もり砂の家になってしまう。
近所にあるこの古家を15年程前モトおんちゃんから譲ってもらった。中庭があって広く、母屋は屋根を葺き替えた
ばかりで赤土が降ってくる心配はなかった。
自遊学校の離れにしたらと思って買ったのだが、住まずに放っているうちに、この家の離れが傷んできた。離れには
トイレと風呂場がある。

この家の離れの屋根は赤土と瓦で葺いたままなので躯体だけではなく屋根もやりかえなければならない。雨漏りで梁
が腐って落ちそうなところがあった。いまやらないと離れ全体が崩壊するだろう。どうしたものか。

やむなく昨年末から改修工事を始めた。古家の改修は現場の状態を確認する所から始まる。フタを開けたら想定外の
連続。工事に入って1か月、こんなはずじゃと私がグチを言うと通りがかった村人に言われた。
「古い家は修理したら、かえって高くつくぜ。建て直す方がましじゃ。」おっしゃるとおり。
やめときゃ良かったと思ったが後の祭り。竣工までに4か月かかったが、素人仕事のわりにはリッパな(!)トイレ
と風呂場になったかも? ここまでやったら無人にしとくのはもっ
たいない。町役場で空き家紹介をしてるというので登録した。借り手はまだ見つからないが、海が見える畑付きの家
に住みたいという人、いないかな?

  梅 雨 晴 れ に 雲 と 交 わ る 海 碧 く


 
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