No.38 (2007 春号)

発 行 自遊学校  文/河原木憲彦  絵/野口ちとせ 














当校の近くに空家があると前に書いた。10年ぐらい前に購入して自遊学校の離れのように利用していたが、管理がだんだん面倒になってきた。それで手放そうかと思い始めている。場所は自遊学校から徒歩2〜3分。海がよく見え、畑も付いている。面積は150坪ほど。家は、当地区周辺では一般的だった中庭のある平屋の古民家で、母屋と付属建物からなる。
築年数不明。母屋の屋根は一度葺き替えているので建物自体はしっかりしており、住むには支障ない。付属建物はトイレ・浴室・物置で、こちらはやや傷みかけているが、今のところなんとか使える。
値段は280万円。これは取得に要した費用分の金額であり、固定資産税の評価額より安い。
ちなみに評価額は447万円。使わないで風化させるより、誰かに住んでもらいたいので実費分の金額にした。学校のある竜ヶ迫は高知西南端に近い海辺の小集落で、80人ほどの人々が半農半漁で生活している。住人のほとんどが老人だが、80歳代になっても現役で畑仕事をし漁に出ている。平地が少ないので山の斜面を段々畑にして芋を作り、凪の日は沖に出て魚を捕る。芋は「ひがしやま」という、この地域独特の干芋にする。これが美味しいので、竜ヶ迫の「ひがしやま」は県内でも有名。しかし作り手が年々少なくなり、貴重品になりつつある。

竜ヶ迫は黒潮が当たるため冬でも霜が降りない。海はサンゴの群落が散在し、色とりどりの小魚が多い。釣りに来る人も多い。グレやカワハギ、モイカなどが人気だが、潮が良ければ足下まで魚が寄ってるので子供でもなにか釣れる。私は最近あまり釣りに行かなくなった。足腰が弱ったせいもあるが、近所の漁師から魚をよくもらうので、釣りに行く必要があまりなくなってしまった。こんな僻地の小漁村を私はすっかり気に入り、気がつくと在住20年になろうとしている。同好の士がいると良いのだが。



学校から望む対岸 


空と空家 


















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