No.24(2001 秋号)

発 行 自遊学校  文/河原木憲彦  絵/野口ちとせ 



 

自遊学校に住み始めて長いことになる。ここ数年は、1年の半分を八戸で過ごすようになったが、春夏・年末年始は高知に戻って自遊学校で暮らしている。「ここに住んでるんですか?」時々お客にそう訊かれることがある。1人とか2人で初めて来校して、他にお客がいないときは、ランプしかないこんなオンボロ校舎に自分たちだけで置いていかれたらどうしよう、と思うらしい。あるいは、ランプは営業用でふだんの生活は電灯のある別宅でしてるんじゃ?とか。冷蔵庫や洗濯機は使ってるから、よけい怪しく思うのだろう。でもそれは全く反対なんだよね。営業上ランプ使ってる、ってのは。ごめんなさい、お客のみなさん。我々の好みを押しつけて。ランプの照明が好きなんです。自遊学校の空間にはランプの灯りが合う、というか、こんな贅沢な暮らしってあるんだろうかと思うほど。

ランプ生活のいいところは、まず第一に、暗くなったら殆ど何もできないこと。暗くなったら、呑むか寝るかしかない。しなくちゃいけないことがあっても、ランプの微光じゃうまくはいかない。できないんだから、しようがない。
だから、明るいうちにできることはしておいて、暗くなったら作業はオシマイ。いつまでもアレをしようかコレをしなくちゃ、と思い悩まなくていい。単純明快。睡眠時間タップリ。それにきれいだしね、夜が。暗くなると、明るいとき見えていたものが見えなくなるでしょ(あたりまえか)。そこに薄灯りが点されると、同じ風景が昼と違って見えるんだよね。それで、小さな灯りだと、闇は消えてなくなるんじゃなくて、逆に強調されるみたい。静かな闇の中でランプの灯りを眺めていると、なぜかとても落ち着く。何万年も昔からこんな微かな灯りで人は夜を過ごしてきたんだから、そういう夜の記憶が我々の中に残ってて、それが懐かしく快い気分にさせるのかもしれない。暗闇は、恐ろしくもあり、懐かしくもあり、美しくもある。そう、思いませんか?
       ◎
ランプから話は一転してコンピュータへ。以前に、ランプの灯りでパソコンいじった話を書いたけど、ついにできました。自遊学校のホームページ!(つくったのはチトセさんです。)ランプの灯りしかない宿屋がホームページつくってどないすんねん!という声もあったけれど、まぁ、そんなかたいこと言わんと。パソコンでホームページつくって、通信はガリ版で刷って、夜はランプで一杯やって……。何やってんのかいな?と、実は私自身も思っとんのやから。                        

                                                          (2001/9)

今年は秋の訪れが早かったようです。栴擅の木の葉がボタッ、ボタッと音をたてて落ち始めたかと思うと、秋雨の後の校庭には真っ白なきのこが生えます。満月のおかげでほんのり灯るくなった校庭にはきのこがいっそう白く光って、鮮やかでいて幻想的。なんとも云えぬ不思議な景色をみせます。自遊学校の秋は毎年、こんな風にはじまります。
・・・Chitose 








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